【行政書士試験】科目別勉強法 ~民法~

(この記事は2020年4月22日に更新されました)

こんにちは。
ショシ太郎です。

前回の行政法の記事から間が空いてしまいましたが、今回は民法の勉強方法を解説していきます。
民法は私たちにとって一番身近な法律ではありますが、身近故に多種多様な事例があります。

ですが、あくまでも私人間の話になるので行政法や会社法に比べるとイメージはしやすいのではないかと思います。

ということで、早速見ていきましょう。

民法

択一9問、記述2問の計76点で構成されており、行政法に並ぶ行政書士試験のヤマ科目です。

事例問題が多く出題されるため、憲法や行政法のような単純暗記だけでは太刀打ちできず、基本をしっかりと理解する必要があります。

まずは全体像を掴む

何はともあれまずはお手持ちのテキストや講座を回しましょう。
初学者の方は、何がなんだかわからないところも多いと思いますが、わからないところは深追いせずにとにかく1周回しましょう。

特に初見の場合、最初の1周が一番きついのでここを乗り切ることができれば後はなんとかななります。
ただ、1周しただけでは理解はほとんど進んでいないと思います。
理解度で言うと1周目は30%、2周目は50%というように何度も何度もテキストや講義を繰り返すことによって知識を深めていけば良いです。

ここは根気が大切です。

基礎を疎かにしないこと

全体像を掴む際に、基礎論点を疎かにしないようにしてください。

民法は事例問題が多いため、どうしても判例をそのまま暗記してしまいがちですが、基礎的な知識をしっかりと理解することが重要です。

例えば、苦手意識を持っている方が多いと思われる物権ですが、前提として物権の種類をしっかり理解していますか?

この図を理解しているだけで解ける問題もあります。
特に赤枠で囲っている箇所は要注意です。
用益物権や担保物権、法定担保物権などの意味をきちんと理解していますか?

例えば、ごっちゃになりやすい留置権と質権は物権の種類を理解していると整理できます。
留置権は法定担保物権なので条件を満たせば自動的に発生する・・・
質権は約定担保物権なので当事者間で合意がないと発生しない・・・などです。

こういった基本的な知識が身に付いていないと物権の問題を解く際に混乱してしまうのではないかと思います。

基本的な知識は、講義やテキストの各章の序盤に学ぶことがほとんどだと思います。
意外と疎かにされやすいところですがしっかり押さえるようにしましょう。

図を書いてイメージ

民法はとにかく図でイメージすることが大事です。
テキストを読んでいて難しいと感じたときや判例を読み込むとき、事例問題を解くとき等は必ず図を書いてイメージをするようにしましょう。
頭の中で登場人物や時系列をイメージするのは限界がありますし、図で表したほうが記憶に残りやすいです。
これはほんの一例ですが、私は通謀虚偽表示の事例問題を図に書き換えたものをテキストに張り付けていました。

図は書いた本人だけが分かればよいので綺麗に書く必要はないですが、本試験の際にうっかりミスをしないようにある程度自分なりの書き方を作っておいたほうが良いです。

メインは過去問

勉強の基礎となるのはやはり過去問です。
お手持ちの過去問集を本試験までに少なくとも10周は回したいところです。

これは全科目に共通することですが、過去問は”ただ解く”のではなく、なぜその答えになるのかを考えるようにしましょう。
特に民法は事例問題が多く、覚えた知識を応用する必要があるので、過去問の段階で考える訓練をしておくことが大切です。

ちなみに、近年の本試験問題は過去問だけでは対応しきれないと言われていますが、そんな問題出題されても数問でしょうし、その数問のために他の問題集にまで手をつける必要はないかと思います。(私見)

過去問をメインに据えて、追加で取り組むのは答練と模試だけで十分です。

記述は対策が必要?

民法は記述の配点が40点あります。
ここで点が取れるようになると合格はグッと近づきます。

私は記述問題が苦手で、酷いときは0点を叩き出したこともありました。

なので記述対策を語る資格は正直言ってありませんが、択一を解くときから”なぜこうなるのか”を意識しておくことが重要です。
そこが記述で問われやすいポイントだからです。

私の場合は選択肢を検討する際に「何となく違うな~」とか「これは合ってそうだな~」みたいな雰囲気で回答してしまう傾向があったので記述になると何もできなかったんだと思います。

なので、普段から択一を”なぜ”まで考えられている方は、記述対策は解法を対策本で学ぶだけで良いと思います。

ヤマを張るのも有

「記述にまで手を回す余裕がない・・・」

そんな方は債権法にヤマを張る方法もありです。
一種の賭けのようですが、過去の出題実績を見てみると、ほぼ毎年債権法から一問出題されています。

そこで、市販の記述対策本を一冊購入し、債権分野だけを徹底的に頭に叩き込むんです。
模範解答を何度も書くのではなく、ひたすら音読することをオススメします。

私は記述が大の苦手だったのでこの方法で本試験に臨みました。
ですが、本試験では対策本に載っていなかった「第三者のための契約」が出題されて爆死しました(笑)
結局、ほかの問題で挽回しましたが・・・。

最後に

以上が私が考える民法の対策です。

テキストを回す→過去問を回すという王道の学習方法ではありますが、
学問に近道なし”なので仕方ないです。

事例問題の多い民法こそ、いかに基本を理解しているかが鍵になります。

ショシ太郎