こんにちは。ショシ太郎です。
この記事をアップするころにはとっくに梅雨は明けていますが、梅雨真っただ中当時の私は雨に強く、デニムからスラックスに合わせられる革靴を探していました。
そんなとき、三陽山長が夏のセールを実施しており、前から狙っていた新作”兼六郎”が20%オフになっていたので早速購入してきました。


外羽フルブローグなので革靴の中ではカジュアルな部類です。
この靴のテーマは名前の通り”兼ねる”ことにあります。
昨今、テレワークの普及が進み革靴の出番が全くなくなってしまったという方もいるくらい、革靴離れが進んでしまっています。
そこで、三陽山長はビジネスだけでなく休日も使える革靴を販売すれば手に取ってくれる方も増えるのではないか?ということに着眼し開発したのがこの兼六郎(兼四郎というモデルもあります)です。
これだけ無骨なデザインだと、デニムに合わせられるのは言うまでもないですが、アッパーを黒色でまとめているのでスラックスに合わせても違和感はありません。
しかし、兼六郎の汎用性は見た目だけの話ではありません。
様々な工夫を凝らし、オールラウンダーとしての機能性を確保しています。
それらをこれから紹介していきます。
ホーウィン社のクロムエクセルレザー

この靴の最大の特徴は、アッパー(革)にホーウィン社のクロムエクセルレザーを採用していることです。
クロムエクセルレザーは肉厚な革に大量の油分を含ませているため水に強く、さらに少々の傷はブラッシングで馴染ませることができる性質があります。
経年変化も顕著なため、ドレスシューズではなくワークブーツに好んで使用されることが多いです。
私が持っているウルヴァリン1000マイルにも使用されています。
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これを敢えて短靴に採用しているのも、できるだけ多くのシチュエーションで使用することを可能とするためだと思います。
雨天時はもちろん、少々の悪路でも革に致命的なダメージが入りません。
また、これもクロムエクセルレザーの特徴ですが革が非常に柔らかいので履き下ろし特有の締め付け感に悩まされることは無いかと思います。
360度グッドイヤーウェルテッド・ストームウェル



防水性を高める機能として、ストームウェルトが採用されています。
アッパーをウェルト(縫い目)の間にあるチューブみたいなやつですね。
これも普通のドレスシューズにはまず採用されませんが、兼六郎のようなカントリー系のシューズにはよく見られる仕様です。
さらに、多くの革靴が採用しているグッドイヤーウェルテッド製法から若干派生?した360度グッドイヤーウェルテッド製法を採用しています。
これはウェルトが靴をぐるっと1周縫い付けられる製法で、通常のグッドイヤー製法との違いは、かかと部分を固定するための金具を使用していないことです。
これにより、非常に柔らかく、見た目と反して軽い歩き心地を提供してくれます。
ソールはダブル・ラバー使用

ソールは雨天時に対応できるよう、ラバー仕様です。
ビブラムソールですが型番は私には分かりません…。吸盤の配置がダイナイトソールに近いものを感じます。
なお、ダブルソールなので重厚感のある見た目になっていますが、前記の通り360度グッドイヤーのおかげで歩き心地は非常に軽いです。
シューレースは蝋引き仕様

驚いたことに、純正のシューレースが蝋引き仕様でした。
さの〇はたくつひものようなベトベトした肌触りですが、それは蝋がしっかり染み込まれている証です。
蝋がレースを保護してくれるため、摩擦による毛羽立ちが生じにくく、耐久性抜群です。
着用画像

王道のデニムスタイルです。
重厚感のある靴なのでラフなデニムとの相性は抜群です。

紺ブレ、グレーのスラックスと合わせるとアメリカントラッドスタイルの完成です。
(兼六郎は英国を意識した仕様なので厳密にいうとアメトラではないのですが…。)
肉厚ですが柔らかいクロムエクセルレザーのおかげで履き下ろしの時点で既に足に馴染んだような感触でした。
木型はR202という三陽山長の伝統的な木型をアップデートしたものを採用しており、他のラインと比較すると大き目な作りになっています。
最後に
革靴好きの中では、「雨靴と言えばパラブーツ」という社会通念のようなものが浸透しているような気がします。
コンセプトも似ている、価格帯もほぼ同じとなるとライバルと言ってもいい存在かもしれませんね。
個人的には、カジュアルに重きを置くならパラブーツ(特にシャンボード)、トラッド感やスーツとの相性に重きを置くなら兼六郎に軍配が上がります。
ショシ太郎